非常用発電機の負荷試験とは?目的と実施の必要性

地震や台風などの災害や突然の停電が発生したとき、建物内の電気を支える重要な設備が非常用発電機です。

病院や介護施設、商業施設、オフィスビル、マンションなどでは、停電時でも消防設備や避難設備などを正常に動かすために非常用発電機が設置されています。

しかし、非常用発電機は普段ほとんど使われない設備です。

そのため、「いざという時に動かない」というトラブルが起こる可能性があります。

このような事態を防ぐために実施するのが非常用発電機の負荷試験です。

この記事では、負荷試験とは何か、なぜ必要なのか、法律で定められている内容や費用の目安まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。

目次

非常用発電機の負荷試験とは?

負荷試験とは、非常用発電機が非常時に正常に動くかを確認するための点検です。

非常用発電機を運転するだけでは、本当に必要な性能を発揮できるかは確認できません。

エンジンをかけるだけでは、非常用発電機の起動点検(無負荷運転)になり、負荷試験ではないからです。

エンジンがかかったとしても、非常時に正常に動くと言い切れません。

そこで、非常用発電機に実際に電気を使っている状態に近い負荷をかけ、問題なく運転できるかを確認します。

また、普段ほとんど使用しない非常用発電機は、エンジン内部にすすや燃え残りがたまりやすくなります。

この状態が続くと、本来の性能を十分に発揮できず、故障の原因になることもあります。

非常用発電機の負荷試験では、このような内部の汚れを燃焼させながら、発電能力やエンジンの状態、冷却装置などに異常がないかを確認します。

なぜ定期的に非常用発電機の負荷試験を行う必要があるの?

非常用発電機を有事の際に確実に始動させるためには、定期的な点検が欠かせません。

また、長期間動かさないことで、次のような不具合が起こる場合があります。

  • エンジン内部にすすや燃え残りがたまる
  • 燃料やオイルが劣化する
  • バッテリーの性能が低下する
  • 冷却装置などに異常が発生する
  • 正常に始動しない

非常用発電機のこれらの不具合は、見た目だけでは判断できません。

もし災害や停電が起きたときに非常用発電機が動かなければ、消防設備や避難設備が使用できず、人命や建物の安全に大きく影響する可能性があります。

そのため、定期的に非常用発電機の負荷試験を実施し、非常時に安心して使用できる状態を保つことが大切です。

非常用発電機の負荷試験を定期的に実施することで、施設の利用者様や店舗のお客様、働いている職員や従業員などの命を守ることにも繋がります!

逆に、非常用発電機の負荷試験を怠ると多くの人命を失う恐れがあることを認識しておきましょう。

疑似負荷試験と実負荷試験の違い

負荷試験に「疑似負荷試験」と「実負荷試験」の2つの方法があります。

それぞれの違いについて見ていきましょう。

疑似負荷試験

疑似負荷試験は、専用の負荷試験機を接続し、発電機が実際に電気を使っている状態を再現して行う試験です。

施設へ電気を送る必要がないため、通常業務への影響を抑えながら試験を実施できます。

現在では、医療施設や介護施設を含め多くの施設で疑似負荷試験が採用されています。

実負荷試験

実負荷試験は、建物で実際に使用している消防設備へ電気を供給し稼働させながら実施する試験です。

普段の使用状況に近い状態で確認できるため、より実際の運転状況に近い試験ができます。

ただし、設備の停止や施設との調整が必要になるため、停電を避けたい医療施設や介護施設などでは実施が困難です。

実負荷試験と疑似負荷試験のどちらが良いか判断が難しい場合は、専門業者の担当者に相談すると良いでしょう。

消防法で定められた点検義務と実施頻度

非常用発電機は、消防法で定められた消防用設備等のひとつです。

そのため、非常用発電機を設置している施設は定期的な点検が義務付けられており、非常時に正常に始動できる状態を維持しなければなりません。

負荷試験もその重要な点検の一つであり、非常用発電機が確実に動くことを確認するために実施されます。

負荷試験は1年に1回が一般的

消防庁の告示では、実負荷試験または疑似負荷試験を6年に1回実施することとされています。

ただし「6年間何もしなくてよい」という意味ではありません。

半年に1回は機器点検を実施し、1年に1回の予防的保全策の実施が義務付けられています。

毎年の予防保全を実施している施設に関しては、負荷試験を6年に1回に延長できると認識してください。

予防保全を実施していない場合は、1年に1回の負荷試験実施が必須です。

また、機器点検などで非常用発電機に異常が見つかった場合も、6年を待たずに修理や負荷試験を行う必要があります。

非常用発電機の状況によっては、より短い期間で負荷試験を実施することが望ましい場合もあります。

設置から20年程度経過している非常用発電機に関しては、修理する部品等がない場合もあります。

そのため、15年以上経過している非常用発電機を設置している施設は不具合を発見したら早めの対応が必要です。

非常用発電機の負荷試験を実施しないリスク

非常用発電機の負荷試験を実施しないと、次のようなリスクがあります。

  • 消防設備点検で指摘を受ける
  • 改善を求められる可能性がある
  • 非常時に非常用発電機が動かない
  • 利用者や従業員などの安全を守れなくなる

また、万が一事故が発生した場合には、施設管理者の責任が問われる可能性もあります

法律を守るためだけではなく、人命や建物を守るためにも定期的な負荷試験は欠かせないと認識しておきましょう。

負荷試験の流れと費用の目安

非常用発電機の負荷試験を実施するまでの、一般的な流れや費用の目安を見ていきましょう。

なお、依頼する業者によって流れや費用は異なる場合もあるため、事前の確認が大切になります。

負荷試験の準備から実施までの手順

一般的な疑似負荷試験は、次の流れで行われます。

  1. 非常用発電機の外観や各箇所の点検
  2. 負荷試験機を接続する
  3. 非常用発電機を始動させる
  4. 非常用発電機が本来発揮できる出力の30%以上の負荷を一定時間かける
  5. 電圧や周波数、冷却水や潤滑油、排気の状態、燃料量などを確認する
  6. 負荷試験結果をまとめた報告書を作成し提出する

非常用発電機の負荷試験は、専門知識を持った技術者が安全に配慮しながら実施します。

メンテナンス整備が必要な箇所に関しては、別途見積り依頼をするなどして早めの改善を心がけましょう

所要時間と費用相場

負荷試験にかかる時間は、非常用発電機の容量や設置状況によって異なりますが、数時間から半日程度が一般的です。

費用の目安は以下のとおりです。

非常用発電機の負荷試験の相場

  • 20kWA以下:15~20万円程度
  • 230kWA以上では30~50万円程度

建物の立地や設置場所、発電機の容量によって費用は変わるため、事前に専門業者に見積もりを依頼すると安心です。

コストを抑える方法と業者選びのポイント

非常用発電機の負荷試験は、依頼方法を工夫することで費用を抑えられる場合があります。

例えば、

  • 定期点検と同じ日に実施する
  • 複数台まとめて依頼する
  • 対応エリアの業者へ依頼する
  • 実績が豊富な専門業者を選ぶ

などの方法があります。

また、価格だけで業者を選ぶのではなく、施工実績や報告書の作成、修理等のメンテナンス整備のお見積りから施工、アフターフォローまで対応しているかも確認すると安心です。

まとめ

負荷試験は、法律で定められているだけでなく、非常時に発電機が確実に動くことを確認するための重要な点検です。

負荷試験を長期間実施しないと、非常用発電機の劣化や不具合に気付けず、停電時に正常に動作しない可能性があります。

一方、法令に則って定期的に負荷試験を行えば、小さなトラブルの段階で発見し迅速に対応できるため、結果的に非常時に発電機が稼働しないというリスクを抑えられます。

「前回の負荷試験はいつ実施しただろう?」という場合は、まず点検記録を確認してください。

6年以上負荷試験を実施していない場合はもちろん、非常用発電機の状態が気になる場合は、早めに専門業者へ相談することをおすすめします。

非常用発電機は、災害や停電時に人命や建物を守る最後の備えです。

「必要なときに確実に動く」状態を維持するためにも、計画的な点検を心掛けましょう。

弊社WILLPROCEEDでは、コストを抑えた非常用発電機の負荷試験を実施しております。

お見積りも無料でお出しできますので、ぜひ参考にしてみてください。

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