非常用発電機は、【消防法第17条の3の3】で点検の実施が義務付けられています

負荷運転の点検方法の1つとして「疑似負荷試験装置、実負荷等により、定格回転速度及び定格出力の30%以上の負荷で必要な時間連続運転を行い確認する」というものがあります。

これは、非常時に発電機が本来持つ能力を発揮可能か実証するデータ測定を示しており、有事の際に正常に運転するかを確認するものです。

しかし、非常用発電機の負荷試験はコストがかかるなどの理由から後回しにされているケースが少なくありません。

有事の際に火災など起きた場合、非常用発電機が必要な時間連続運転されないと、多くの人命に影響を及ぼす可能性が高まり危険です。

こちらのページでは、非常用発電機の負荷試験の重要性やメリット・デメリット、実際に試験を行った際に提出される報告書などをご紹介しています。

非常用発電機を保持している事業者様は、今後のご参考にされてください。

目次

非常用自家発電設備の点検と保全の重要性

有事の際に沢山の人命を守るために消防設備点検が義務化されていますが、まだその重要性が正しく認識されていない事があります。

日本は世界でも自然災害が多い国として有名で、世界で起こる地震の2割は日本で発生しているそうです。

そのような日本で、自然災害など有事が起きたときに予防保全をしていないことで「非常用自家発電設備の不始動・停止」という事態が起これば、もし人命が失われなかったとしても企業様の社会的な信用を失うことになります。

有事の際に非常用発電機が正常に運転するように日頃から点検や整備、更新を行わなければなりません。

そのために行われているのが、非常用発電機の負荷試験です。

負荷試験は、6年に1回ではなく1年に1回の実施が必要となります。

負荷試験は6年に1回で良いのでは?

昨年負荷試験をしたばかりだから今年は何もしないつもりなんだけど……

非常用発電機を更新したし負荷試験しなくても問題ないよね?

消防⽤の⾮常⽤発電機を設置している施設では、年1回の負荷運転を実施し運転性能を確認しなければなりません

ただし、予防保全として経年劣化しやすい部品や消耗品を各メーカーが推奨している適切な時期に交換しておくことで最長6年間、負荷試験の実施を延長することが可能です。

なるほど!適切に予防保全を講じていれば、最長6年に1回の負荷運転で良いのか!

予防保全の具体的な内容は、エンジンオイルや冷却水などの1年に1回の交換です。

※消耗品の内容によって適切な交換時期は異なります。

なお、東京消防庁においても下記のように注意喚起がされています。

負荷試験の試験方法の違いとメリット・デメリット

同じ負荷運転でも上記のように全く試験方法が違うため、それぞれの違いを理解した上でどちらがいいか判断していく必要があります。

どちらの負荷試験が適しているかは担当者と相談しながら決めると良いでしょう。

要注意!負荷運転と勘違いされるもの

なかには、負荷試験と勘違いしている点検等があり「負荷運転を実施していないのに実施した」と勘違いしているケースもあるため、注意が必要です。

勘違いしやすいケース

  • エンジンが正常に作動するか確かめる保安点検
  • 消防設備を起動させずに停電させて行った待機電力による点検

保安点検や消防設備を起動させずに行った点検等は、非常用発電機の起動点検であり負荷運転ではありません

実際に、東日本大震災時において非常用発電機の点検が十分に行われていなかったことが原因で作動しなかったケースが、全体の41%もありました。 非常用発電機を設置しているだけで負荷試験や点検、整備を怠ると、いざというときに発電されず多くの人命に影響を及ぼします!

社団法人日本内燃力発電設備協会調査結果

発電機を起動させて発電量を確認する運転が、消防庁の求めている負荷運転です。

負荷運転は、連続した電力を供給できるのかを試験しておくものであると認識してください。

負荷試験を実施した際に提出させていただく報告書例

負荷試験を行うことでわかるのは「負荷試験の実施結果」と「設備の状態と交換の必要性」の2点です。

専門的な知識をもった資格者が丁寧に確認をして、ひとつひとつ写真と共に報告書へまとめて提出をします。

なお弊社WILLPROCEEDで負荷試験を実施した際は、以下のような報告書を提出させていただきます。

事前に故障の兆候を察知して報告していきますので、これを元に予防保全が行えます。

消耗品の交換が必要な際は、見積もりを出しご納得いただけた上で施工日程を決めるのが一般的な流れです。

冷却水や潤滑油、エアフィルターなど、気づかない間に消耗している設備はめずらしくないため、非常用発電機の状態を万全な状態にするためにも交換しましょう。

蓄電池はメーカーが推奨している交換目安時期が過ぎているケースが少なくありません。期限が過ぎてしまうと、非常時に動かない事態が発生する可能性が非常に高くなります。蓄電池の交換時期が過ぎている場合は、早急に交換しましょう!

負荷試験を行っているか不安なときはこちらをチェック

非常用発電機の負荷試験を実施しているか不安な場合は、「別記様式第24」の「運転性能」の蘭、及び「負荷運転負荷運転又は内部観察等の最終実施年月 ( 年 月)」をご確認ください。

正式な負荷試験を実施している場合は、「その3」の赤い印の蘭に記載があります。

万が一、記載がない場合やこちらの書類がない場合は、弊社にご相談ください。

非常発電機の状態を確認するためにも負荷試験の見積りを取りましょう

非常用発電機の負荷試験は、点検会社によって提示する金額が違います。

20kWA以下であれば15~20万円程度が相場となりますが、230kWA以上では30~50万円程度と高額な費用が必要になる場合もあるため、相見積もりをして効率よくコスト削減しましょう

弊社WILLPROCEEDでは、できる限りコストを抑えた金額を提示させていただいております。

「実際どのくらいの費用がかかるんだろう...」「相見積もりがしたい!」などございましたら、下記よりお気軽にお見積りお取りください。